世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスですが、インド国内においても事態は深刻で、都市封鎖などの対策が続いておりました。
通常、綿花の閑散期にあたる冬季には、都会に出稼ぎに出る農家が多いのですが、この状況下で、都会に出稼ぎに出た農家たちが自分たちの村に帰って来れない状況が続きました。
5月中旬になり、少しずつ都市封鎖が緩められ、当財団支援地であるオディシャ州から他州へ出稼ぎに行っていた人たちへの、故郷へ向けての鉄道移動が許可されました。
彼らはオディシャ州到着後、14日間の隔離期間を経て解放され、自分たちの村へ帰りますが、上記の通り、現金収入を得ることができない状況が続いていたため、国や政府の援助が手に入るまでの間の最低限の食べ物や薬などを買うお金が必要な状況です。
この緊急事態に、現地NPOのチェトナオーガニックからの支援要請を受け、当財団理事および評議員メンバー、会員企業、インドと協議を重ねまして、出稼ぎを出している家の女性成員のうち400世帯に対して各500ルピーの合計200,000ルピーを拠出する事を決議いたしました。
当財団では、
①インド綿農家の有機栽培への転換支援
②農家のこどもたちの就学・奨学支援
を行っております。
今回のケースは、400世帯のうち、必ずしもその農家が綿花を栽培しているわけではないため、上述①②の綿農家に限定の支援からは逸脱いたしますが、一刻も早い支援が必要な緊急性の高い人道支援にあたることと、農家から見れば綿花は栽培する作物のひとつであり、綿花を栽培していないことによって差が生まれる事もどうかということもあり、会員企業である株式会社ヤギさまのヤーンプロジェクトからのご寄付の一部を活用させていただく事としました。
引き続き、一日も早くコロナウィルスの感染収束を願うとともに、インドの農家たちにとっても新たな生活が戻るよう、財団として今すべき活動を見極め、現地とのコミュニケーションを続けてまいります。